1 予期せぬ出来事
前職で関わった子どもたちとのお別れの式の日のこと。その日はあいにくの雨、コロナ禍なので校庭で行われるはずだった式は、急遽放送での式となりました。「あっさりと挨拶して帰ろう。」そう思っていたら、式の後、子どもたちが待っている廊下を花道のように歩いて回るとのこと、ちょっと照れくさい気持ちになりました。
そして、1年間毎日一緒に過ごした子らが目の前に現れた途端、予期せぬ事態が起こったのです。気がつくと、私はその場で泣き崩れていました。号泣です。不意をつかれた感覚でした。長い間、私は人前で泣くということが出来ずに生きてきたからです。そして、目の前では小さな男の子が号泣していました。私のために・・・。
誰かが自分のために号泣してくれるって、すごく素敵なことだと思いませんか。そして、誰かのために号泣できるって、素敵なことだと思いませんか。大人になると意識的にも無意識的にも、そのようなピュアな感情は押しつぶしていることが多い気がします。
2 ピュアな心の持つ大きな力
あとで振り返ったとき、ある出来事を思い出しました。ずっと以前、国語科教師として、当時授業作りのために必死だった私は、人間国宝の方を訪れて協力していただいたことがあります。授業を終えて、改めて授業報告とお礼にうかがったとき、「そんなものは要りません。」と言われたのが校長からのお礼状で、「これが一番嬉しい!」と言われたのが、子どもたちからの手紙だったのです。
なぜそのとき、その方がそうおっしゃったのか、、、改めて合点がいったような感覚になりました。そして、人間国宝と言われるような職人の技を極めた方が、「子どもたちのためなら。」と、快く教材作りに協力してくださった、そのときのことを鮮明に思い出したのです。
ピュアな心には、人を動かす大きな力があります。反対に、形だけで心がないものには価値がないのです。(校長からの手紙に心がなかったというと失礼ですが、大人の手紙には、少なからず形式的な礼儀という要素が含まれているのは事実です。)そして、改めて思いました。これから先コーチとして、クライアントの方と関わるときにもピュアな心を決して失わぬよう、大切にしていきたいものだと。
3 かけがえなのない存在に心からありがとう!
私にとって、この日の出来事は、次に進んでいくための大きな節目となりました。子らのピュアな心が私にとって大きな後押しとなり、そこまで進めてきた新たな生活が急加速するきっかけとなったのです。私を成長させてくれた愛おしい子どもたち、ずうっとずっと大好きです。そして、心の底からありがとう!
帰りの車中でも、一人で号泣した幸せな一日の出来事です。
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