昨年(2022年)4月13日のことです。軽井沢で行われたルイザカップというカーリングの大会に出場してきました。その1試合目第1エンドでの出来事です。初心者ばかりのチームであったにも関わらず、ミラクルショットの連続でなんと8投中の6ストーンが円の中に入り、6点という得点をたたき出し、見事勝利を収めました。
このミラクルは単なる偶然?いえいえ、単なる偶然だけで片付けるにはもったいない。「ビギナーズラック」とか、「無欲の勝利」という言葉もあるように、このようなことって意外とあったりしませんか?そう、これこそまさにインナーゲームなのです。
1 初めてのカーリング
YouTube先生に教わったことですが、カーリングは一度基本の動作を教われば、すぐに試合形式で楽しめるスポーツです。だから今、多くの人に楽しんでもらいたいという動きがあり、今回の大会もそのために開催されました。私のチームは、それにまんまと乗っかった新しもの好きで愉快なメンバーの集まりでした。
初心者チームには、一人だけサポート選手が入ってもらえるというルールがあり、私たちのチームには小泉聡選手(写真)が加わることになりました。カーリングSC軽井沢クラブ所属で2020年日本選手権3位になった選手です。本当に素敵な方でした。
2 練習での思うようにいかない体験
練習は1週間前と前日の2回だけ。これを聞いたとき、さすがに小泉選手も苦笑いでした。練習では基本の転び方やストーンの投げ方、ブラシのかけ方を教わりましたが、さすがに急に上手くなるものでもありません。
フォームの出来ていないことはさておき、その距離感やストーンを離すタイミングなど、ちょっとしたことで、強すぎたり弱すぎたり、はたまた、曲がりすぎたり、、、円の中心にストーンを止めるのはさすがに至難の技です。ときにはうまくいくときもあるのですが、それは果たしていかほどの確率だったことでしょうか、、、。
3 本番のミラクルショット
では、どうして私たちの第1試合第1エンドにそのようなミラクルショットが連発したのでしょうか。
カーリングでは1チーム4人の選手がいて、2投ずつ投げるのですが、サポート選手は最初に投げるリードという役割しか出来ないルールでした。あとにいくほど、戦略的な技術が必要なので、そこはサポートしてもらえないことになっていたからです。
ところが、、結果をみてみると、そのことが功を奏したのです。小泉選手はまず、素晴らしいフォームで1投目、2投目を投げました。それをじっと見つめていたのが私たちです。そして2人目・3人目・4人目みんなミラクルショットが続きました。私は3人目でした。やっている私たちが驚き、喜び、もうたいへんでした。
この試合、3エンドまでで終わりだったのですが、最終的には6対2で勝利しました。そう、その後私たちは全く得点することが出来なかったのです。
4 ふりかえり
その1 第1エンドのミラクルショットはなぜ?
試合というある意味特殊な場面で集中力が高まり、リードの小泉選手の投げ方を視覚的イメージとしてその後に続く選手たちが受け止めた、そして「円に入れる」という明確な目標に向かって自然に身体が動いたというわけです。
その2 第2エンドと第3エンドでは何が起こっていた?
第1エンドで思わぬ好成績が出たことで、「もう一度第1エンドと同じようにやりたい」と、どれほど意識したかは分かりませんが、選手はみんな少なからずそんな気持ちになっていました。ところが、それは、ミラクルショットを出したときの集中した状態とは明らかに意識が違いますよね。
だから自ずと結果も違ってしまったということですね。上手くいくとみんな欲が出たり、逆に意識して力んだりしてしまう、そんな経験を思い出していただけると理解できるのではないでしょうか。
インナーゲーム(自分の内側で起こっている勝負)って面白いですね。
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